現在専門の歯科医学会では、 顎関節症、咬合関連症候群、咬合不安定症の悪化させる要因とは、単独ではなく、患者さんによりいろいろ重なっています.おもに4つの原因の複合型です.

  • 1,日中の無意識の噛みつづけるクセ/無意識のくいしばり/歯と歯をこすり合わせるグリグリ検査 =日中のTCH

  • 2,頬杖 寝方の悪さ うつ伏せ寝 枕が合わない など 姿勢や態癖の悪さで アゴに力がかかる  =態癖

  • 3.夜間の強いハギシリ・くいしばり/俗に悪いハギシリは200〜300キロの力で噛んで歯を壊す=夜のハギシリ

  • 4.上下の咬み合わせのバランスの悪さ/歯並びの悪さ/舌癖/口呼吸/開咬などの歯列不正 =歯と歯の接触の悪さ

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無意識
歯の接触癖 TCH… アゴと口の緊張 が「顎関節症」を招く

  
(2011年6月23日 読売新聞)

 口を開けられない、顎が痛い、カクカク鳴る――などの症状がある顎関節症。発症には様々な要因が関わっているが、上下の歯を接触させる癖が、特に大きな要因になっていることが分かってきた。
以前は、かみ合わせの改善治療を重視して治療していたが、ストレスを持っている患者さんでは、かみ合わせの治療だけでは、どうしても改善しにくいことがある.
東京医科歯科大准教授で顎関節治療部長の木野孔司さんによると、
人は何もしていない時、唇は閉じていても上下の歯にすき間がある。前歯で1~2ミリ、奥歯では0・5~1ミリ程度だ。
食事や会話の時の接触は
瞬間的で、1日に上下の歯が接触している時間は、
正常者では
20分以下である。
 ところが、何かの作業中や考え事をしながら無意識に1日に4時間も5時間も歯を接触している人がいる。
職場や家庭、受験などでストレスを抱えている人が多い。
『切歯扼腕』とか『歯を食いしばって頑張る』という表現があるように、精神的緊張は口に表れる.
くいしばり、かみしめればもちろんだが、
軽く歯が触れるだけでも 長時間に及ぶと、口を閉じる筋肉が作動し、筋肉の疲労がたまる。
口の緊張はまた、顎の関節を押さえつけて血行を悪くし、関節の滑りが悪くなったり、痛みに敏感になったりする。
こうした状態が続くと顎関節症になりやすくなる。
本人は自覚がない、
無意識のことが多いが、この無意識の歯の接触癖があると、舌のへりや頬の内側に、歯に押しつけられて出来た痕が残っていることがある。

 顎関節症の患者を調べたところ、約6〜8割に接触癖があった。
6年ほど前から接触癖の是正を治療に取り入れたところ、治りにくかった症状が2~3か月で大幅に改善する例が増えた。
まず、患者に無意識の歯の接触する癖の悪影響を
理解してもらい自宅の冷蔵庫や職場のパソコンなど日常生活で目立つ場所に「歯を離してリラックス」と書いた紙を貼るよう指導する。貼り紙を見たときに注意する習慣がつくと次第に癖が消える。
同時に、顎の動きを滑らかにする開口訓練などの体操やリハビリ法もして、顎の筋肉をほぐす。ほとんどの患者は、こうした認知行動療法と筋肉をリラックスさせる体操・運動で軽減するため、歯や関節をあまりいじる必要はないことがある。
こうした指導ができる医療機関は少ないし、保健指導として保険にまだ導入されていない。
今保険で認められた顎関節症の治療は、鎮痛薬、顎の安静を保つマウスピース、歯を削るかみあわせ調整などに限られている
外科手術は1980~90年代に盛んに行われたが、再発することもあり、現在は少なくなっている。
特に注意を促すのは、鎮痛剤やマウスピース、スプリントで治らない時、
かみあわせ調整として健康な歯を削ったり、高額な歯列矯正を、治療の始めからは積極的には勧めない
治る例もあるが、逆にこじらせてしまうこともある。
「かみあわせ・咬合」は、顎関節症の原因のひとつだが、それだけではない
ストレスもTCHも関係し、患者さんによって原因は異なる.
また顎関節症は放っておいても軽減することもある.
世界の専門家の間では、健康な歯を削るといった、
元に戻せない治療は極力行わないのが基本原則.
まずは 肩と首の力を抜いて「唇は付けても 歯と歯をはなして リラックス」を.まずは、歯の接触クセを治すことから始めることです
(一部改訂 川村秋夫)
東京医科歯科大准教授で顎関節治療部長の木野孔司
http://tmd-kino.com/tch.html
http://tmd-kino.com/gakukansestsushou.html
http://www.tmd.ac.jp/dent/tmj/tmj-J.htm